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#探訪・全国高等学校ヨット部かレジ
2008年インカレ強豪校ファイル

関西学院大学(関西水域)

写真・文 井田光司

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一昨年の琵琶湖大会で、470級でクラス優勝を果たした関西学院大学。その勢いで、昨年の地元西宮インカレで総合優勝を目標に掲げるが、結果は7位に甘んじた。今年こそ頂点に立つことを誓い、部員一丸で牛窓の海に挑む。

チームの中心は主将の市野直毅選手。この超学生級エースの存在が、関西学院を一気に優勝候補へと押し上げている。一年時に出場した全日本インカレ個人戦(470級)で優勝し、鮮烈デビューを飾った市野選手。続く団体戦でも個人成績トップと大暴れし、チームを久々の入賞となるクラス6位に導いた。この年から関西学院の復活劇が始まるのだが、それは彼の入部から始まったストーリー。自身の個人成績を最小失点に抑えるだけのエースではない。その熱い闘志でチームを鼓舞する姿勢は、下級生の頃からチームメイトたちに刺激を与え続けてきた。

そんな市野選手が最後のインカレを迎える今年、いったい彼が何を想い、どんなチームを作り上げているのか。その辺を聞き出すつもりで関西学院の合宿所を訪ねたのだが、あいにく取材日は市野選手が練習に不参加で、主将抜きでの取材となった。しかしながら彼の不在により、逆に関西学院のチームとしての本質を見ることができたのかもしれない。彼らの言葉と練習風景は、日本一を目指すチームのオーラを十分に纏っていた。

現在の部員は、女子マネージャーも含めて44名。艇庫を隣にする関西大学に匹敵する部員数だ。しなしながら、その練習スタイルは対照的で、取材日は470級3艇、スナイプ4艇の少数精鋭で練習を行なっていた。副将としてクルーリーダーを務める佐藤翔選手に話を聞くと、「目標は完全優勝です。とくに牛窓対策というのは意識していません。どんなコンディションでも対応できるように準備してきました。最後は精神力の勝負になると思いますが、日本一の練習量で自分たちを追い込んできましたから」。その自信に包まれた話口は、ちょっとカッコ良すぎるくらい。単に微風や潮流の対策を講じて、その場を凌ぐだけのトレーニングでは意味がない。学生レベルなど飛び越えた、絶対的な強さを求めている。佐藤選手の言葉から、そんな力強さが伝わってきた。

ただ、総合優勝を目標に掲げる関西学院であるが、近年の成績を見ると、どうしてもチーム力が470偏重の傾向にあったように感じる。クラス優勝を争うレベルにある470クラスに対して、スナイプがスコアを纏めることができずに総合の順位を落としてしまう。地元開催で期待された昨年の大会もそうだった。今年、総合優勝を狙うために必要な課題は、このスナイプチームの強化であったはずだ。その点について、スナイプのクラスリーダー酒井一樹選手に尋ねると、慎重に言葉を選びながら話してくれた。「去年までは、チーム面で欠けるところがあったのだと思います。確かに、自分たちの中で甘えがあり、悪い状況から気持ちを切り替えられずにいました。でも、今年のチームは確実にレベルが上がっています。全員でベストを出せれば、絶対に結果はついてくるはずです」。去年まで足りなかったことを埋めるため、やれることはこの一年で全部やってきた。そんな想いが見て取れた。

メインセールに印された関西学院の三日月の校章。その由来を尋ねると、生徒が成長していく様を、これから真円に満ちていく三日月になぞらえたものらしい。昨年の悔しさを胸に刻み、牛窓での雪辱に向けて、これ以上ないくらい追い込んできた選手たち。彼らの成長がその月を光で満たすとき、優勝の二文字が牛窓の海に照らし出される。


470級

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skipper:上段左から
植田和宏(2年・関西学院高)、堀切勇志(3年・須磨学園)、松下結(1年・長崎工業高校)、森本起代(2年・東大谷高校)、中野裕介(3年・中村学園三陽高校)、[下段左から]佐藤翔(副将4年・中村学園三陽高校)、笹尾健児(4年・高松商業高校)、小栗拓也(3年・中村学園三陽高校)、西尾将志(2年・関西学院高)
松下結・佐藤翔ペア。市野選手と組んで北京五輪キャンペーンを経験した佐藤選手。クルーワークは学生レベルを超えた貫禄がある。関西学院の470級クルー陣は、その動作やボディバランスから抜群の安定度を感じさせる。彼らの技術レベルの高さが、圧倒的な練習量の裏付けとなっている。
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小栗拓也・中野祐介ペア。中村三陽出身の3回生ペアは、全日本個人戦9位。「少しでも市野さんに追いつきたいです」と謙虚に目標を語る小栗選手。市野選手が最後のインカレとなる今年、追いつくだけでなく、一気に追い越してしまいたいはずだ。

スナイプ 級

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skipper:上段左から
 笠田祐樹(1年・啓明学院高)、初田敏隆(3年・加古川西高校)、岩見翔太(2年・伊川谷北高校)、馬場由紀子(2年・広島女学院高校)、大内聡子(3年・大阪女学院高校)、[中段左から]多田鉄平(2年・尼崎北高校)、笠井大樹(2年・啓明学院高)、上田晃義(3年・奈良県立平城高校)、辻川亮太(2年・中村学園三陽高校)、鹿釜 竜一(4年・兵庫県立葺合高校)、酒井一樹(4年・県立芦屋高校)、増川美帆(3年・博多女子高校)、若林沙優実(2年・星林高校)
酒井一樹・鹿釜竜一ペア。4回生コンビは全日本個人戦6位。「自分たちのベストが出せれば、結果はついてくるはずです」とチームリーダーの酒井選手。スナイプチームの成長に手応えを感じ、優勝だけを見つめている。
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増川美帆・辻川亮太ペア。日本代表として、今年のスナイプ級ジュニア世界選手権にも出場した。増川選手は全日本女子インカレで昨年、一昨年と二連覇している。周囲には今年の全日本個人戦で優勝した木内選手(早稲田)との女子スキッパー対決が注目されるが、当人はチームの勝利しか眼中にない。辻川選手は船上でもインフル対策。 笠井大樹・多田鉄平ペア。高校時代にインターハイや国体を総ナメにした笠井選手。今年の夏に470からスナイプへコンバートされた、まさしく総合優勝請負人。彼が如何にスナイプの特性に適合し、スコアを纏められるか。それが総合優勝への鍵となる。
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コーチボートから檄を飛ばす河野監督。「朝5時から練習に付き合ってくれることもあるんです。監督には感謝の気持ちで一杯です!」と部員たち。監督の熱意が着実に選手たちへ伝染している。 ずらりと並んだKGガールズ(女子マネージャー)。「私たちが日本で一番の女子マネだって自信があります。レースに出る選手たちには、自分だけでなく、バックに部員みんながいることを意識してレースに挑んでもらいたい。全員で勝ちに行きます!」
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