
東日本大震災から2週間が過ぎた。しかし、いまだに強い余震が続くうえに原発事故も予断を許さず、被災地ではなお燃料などの物資不足が続き、多くの被災者が厳しい避難所生活を強いられている。災害はまだ終わっていない。
未曾有の大震災に、『日本中の勇気、全世界が注視』=米大統領、国務長官が激励(時事)――など、日本国中はもとより、全世界に支援の輪が広がるなかで、スポーツ界も積極的な支援活動の動き、予定されていたイベントや大会も軒並み中止となっている。 ところが、今朝の新聞に、巨人の滝鼻卓雄オーナーが監督官庁の『開幕見直し要請に不快感を示した』(時事)という記事がでていて、いまさらながらに、巨人の意識の希薄さと傲慢さに驚いた。
3月5日に開幕したJリーグは3月中の全試合を中止して4月23日に再開する見通しだし、女子プロゴルフは3月中の大会を中止した。プロ野球のパ・リーグは東北楽天の本拠地仙台が被災したこともあって、早々と4月12日に開幕を延期した。 大津波に襲われた多くの市や町が壊滅状態で、犠牲者が日毎に増え、多くの被災者が避難所で厳しい生活を強いられているいま、「スポーツどころではない」と思うのは当たり前のことだ。ところが、巨人主導のセ・リーグはあくまでも早期開幕にこだわり、なんとも、傲慢で、独善的な体質を露呈している。 関東一円で続く「計画停電」の実施や、福島県などを中心に出荷、摂取制限の出た葉物野菜や牛乳の廃棄、東京では水道水にも放射性物質が混ざるなど、底が知れない原発事故の恐怖が市民生活を襲っている。こんな状況でファンが心からプロ野球を楽しめるわけがない。なのに、巨人主導のセ・リーグは29日の早期開幕に強行しようとしている。東京ドームで試合をやればディゲームでも大量の電力を消費する。こんな事態は、巨人ファンはともかくおそらく世間が許さない。 渡辺恒雄会長よ、巨人軍よ、傲慢さを捨てて真摯に現実を受け止めて欲しい。被災地ではいまも行方不明者の捜索が続いているし、被災者は深い悲しみや不安を抱えたまま、一刻も早い「支援」を待っているのだ。
この原稿を書き終わって2日後、セ・リーグはパ・リーグ案をすべて踏襲して4月12日の同時開幕を決定した。(本橋一男)
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