北京五輪 セーリング競技 XXIX Olympiad Sailing Competition

49er石橋/牧野、軽風で互角の戦いぶり

08/08/13

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 1日3レースが行われる(最大15レース)49er級は、3日目で早くも9レースを消化した。日本代表の石橋顕/牧野幸雄(チーム・ビリーヴ)は、大崩れしないレース展開で暫定12位に踏み止まっている。
 この日おこなわれた3レースでも、8-9-17位と踏ん張っている。最終的には2レースがカットレースとなり、そうなると今のところ最も利益を得るのが彼らである。もちろん、そのためには今の17位を下回るスコアを叩かないことが前提となる。
「今は我慢のときですね。このポジションでなんとか後半戦まで持ち込んでいけば、上位の中で崩れるチームが必ず出てくるはずなんです。そのときがウチにとってのチャンス。勝負はここからですよ、見ててください」
というのは原貴夫コーチ。ハーバーに入ることができないため、いつも海岸の高台からレースを観戦している。
 確かに49erというクラスは、一気に順位が変動することが多い。昨日まで石橋/牧野の下にいたアメリカが、この日3連続トップフィニッシュで一気に5位まで浮上している。

バレーボールやテニスなどのボールゲームでも、中盤まで全く互角の戦いぶりを見せていながら、ある時点で急激に点差が離れ、あっという間に勝負が決まるというシーンがよく見られる。精神的に持ち堪えられなかった方がやられる。原コーチがイメージしているのは、おそらくそんなシチュエーションではないだろうか。

10位前後でひたすら我慢を続け、勝機と見るや一気に畳み掛ける。うん、悪くない作戦だ。なにより石橋/牧野らしい戦い方じゃないか。


第8レース、7位で第1マークを回航してダウンウィンドレグに入る石橋/牧野
   
毎朝恒例の道端ミーティング。ゲート外なので、時たま通りがかりの中国人がわけもわからず参加してくる

2007年のワールドチャンピオンのイギリスとも互角の競り合いを演じる49er級の石橋/牧野

  現在暫定首位のオーストラリアと、この日3連続トップで猛然と追い上げる現在5位のアメリカ

 

この日2本目となる第8レース。スタートでアメリカ、オーストラリア、デンマークなど強豪国がピンエンドに集まっているのに対し、風上側の本部船寄りからスタートした石橋/牧野。これは上位陣に勝負をかけるため反対側の海面を狙うんだな。よし勝負に出るわけだ、面白いじゃないか、と思いきや、スタートに失敗した彼らはそのまま上位陣が向かう左海面へとコースを引いた。結果的に左海面が当たり、第1上マークを7位回航するのだが、いったいどんなコースプランで臨んだのだろう? 単なる結果オーライだったのだろうか?

「いえ、スタートはラインの有利不利よりも、空いたところから出ようと考えているだけです。左へ行ったのも、全体の流れに合わせてのばしていっただけ。スタートで出遅れたので、結果的に一番左に突っ込む形にはなりましたけど 」
という石橋の答えが何を意味しているかと言えば、そう、ボートスピードに揺るぎない自信があるということだ。
「はい、10ノットまでの風速なら、今回のメンバーの中でも速いほうの部類に入ると思います」

つまりはこういうことである。レースを観戦していた記者は、石橋/牧野がリスクを負って仕掛けていかなければ勝負にならないレベルであると解釈して、彼らの取る行動に勝手に過大な意味合いを載っけてしまっていたのである。そんなことをしなくても、今の彼らはレースの流れを見ながらフレッシュウィンドで手堅く走っていれば、上位陣とも走り負けることはなく、きちんとレースメイキングすることができる、それだけのボートスピードを持っているということなのである。
 このあと本当に勝機が訪れるのかどうか、そればかりは時の運。しかし、根負けしたものにチャンスは巡ってこないことだけは確かである。やっと手に入れたボートスピードと自信を胸に、彼らはひたすら我慢のセーリングを続ける。

 

【ISAF公式webサイト】
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