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2019年06月21日

2019 ISPA上五島クルージング 九十九島の絶景、大村湾を堪能する

写真・文 岡田豪三

 横浜ベイサイドマリーナのISPAクルージングで、国内初となる春の上五島クルージングが4月27日~30日まで4日間にわたって開催された。
 コースは長崎県上五島の有川港を出港して、野崎島→黒島→九十九島アンカリング→九十九島パールシーマリーナ→佐世保港→針尾瀬戸を通って大村湾へ。大村湾から長崎ハウステンボス→旧オランダ村→オーシャンパレスゴルフクラブ→長崎空港→大村公営マリーナを巡るコース。参加者は生徒5名(根岸鉄夫、新田浩、芥川浩一、寺内貞雄、西田耕士)、インストラクター2名(オーナーの田中洋船長、サブ岡田豪三)の計7名。使用艇の【yukikaze】(ベネトウ・オセアニス323)は、非常によく走る優れたクルージング艇だった。


キリスト教関連歴史遺産が点在する五島列島を楽しむ

前日集合:4月26日(金)
雨、気温15度。上五島有川港へ


 集合は26日中に上五島有川港の宿に入ることだったので、雨の中11時のANAで羽田から長崎空港へ。空港からはリムジンバスで長崎大波止へ移動。有川港行きの高速船16:40発に乗る予定。
14:00過ぎには大波止に到着してのんびりしながら出島マリーナを外側から見学。雨が止んだが北西風が強く吹いている。高速船は比較的空いているが座席指定。強風もなんのその、で、大型のフェリーは予定通り1時間40分で有川港に到着。メインインストラクターであり、今回、使用するヨットのオーナー田中洋さんの出迎えを受ける。有川ビーチホテルにチェックインして参加者全員が集合、近くの料理茶屋「し㐂」で新鮮な魚料理にした鼓。明日は一日中北からの季節風が予想されるので早く寝ることにする。


1日目:4月27日(土)
曇りのち快晴。晴れて暑くなる


 27日未明、どしゃ降りの雨で目が覚める。しかし、05:00に起きると雨が上がる気配。そこで、係留されているヨットの様子を見に行くと、すでに田中船長が起きていたので簡単な打ち合わせをするが、2人とも今日の出港は無理と判断する。
 港内は、すでに25ノットオーバーの強風が吹き荒れている。そこで、今日はレンタカーで島内教会巡りの観光に予定を変更する。明日は、早朝06:00出港して08:00までに野崎島着後島内観光。その後、予定していた黒島を通過して九十九島に直行する案に決まる。
 根岸さんがネットで調べまくってレンタカーを探しだしてくれた。ゴールデンウイークが始まったばかりなので、レンタカーなどあるわけがないと誰もが思っていたのだが、ラッキーにも1台見つかった。加えて、宿泊場所もホテルカメリヤを押えることが出来た。

 09:00、全員で観光に出発。有川港がある中通島は南北30km、東西20kmとフィヨルドのように入り組んだ大きな島である。教会は思った以上にたくさんある。そのなかから4つを選択して、北の方からまわることにする。
 最初に訪れたのは仲地(ちゅうち)教会。1978年(昭和53年)に建てられた歴史ある教会でステンドグラスがとても美しい。次に頭ケ島(かしらがしま)天主堂。迫害が終わって再び島へ戻り住んだ信者たちが、近隣から切り出された砂岩を積み上げて造った、全国でも珍しい石造りの教会堂だ。
 その後、有川観光センターで“上五島うどん”のランチタイム。そして、3つ目の桐教会へ。1897年(明治30年)に五島中部の中心として設立。若松大橋から教会の赤い屋根を望むことができる。
 最後は、レンタカー会社近くの青砂ケ浦(あおさがうら)天主堂。鉄川興助の手による初期の煉瓦造りの教会で1910年(明治43年)建設。レンタカーは根岸さんと寺内さんが交代で運転してくれた。
 隠れキリシタンの島を堪能し、夕食は焼肉の「ゆうこう園」で…


世界遺産のある五島列島から九十九島のリアス式海岸へ

2日目:4月28日(日)
有川港→野崎島→九十九島観光→九十九島パールシーマリーナ。51マイル


 晴れ時々曇り、ちょっと寒いかなと言った感じ。06:00有川港を出港すると南東の風が2~3ノット、セールを上げて湾を出ると、風は東に変わって15ノット吹いている。ヘディング025M、スピード5ノットのクローズリーチで、小さな波があるが快調に走り、08:20野崎島の桟橋にドッキング。ここで西田さんと合流する。島では旧野首(きゅうのくび)教会を見学。1908年に建てられた3代目の教会堂。設計・施工は鉄川興助で、信徒がキビナゴ漁で貯めたお金で建てたそうだ。煉瓦造りで、屋根には日本の瓦が葺かれている。

 10:00野崎島を出港して東へ針路を取る。東の風は6ノットまで落ちて機走で黒島へ向ける。平戸島に近づくと北風に変わり、ダイナミックなビームリーチを楽しみながら黒島を12:40通過。
 15:00小雨の九十九島に到着し、田中洋船長のガイドで九十九島をくまなく探索。完璧な泊地で、入江にあるムアリングに止め静寂を楽しむ。次の観光船が出て行った後でわが艇も出港。
 17:00九十九島パールシーマリーナに地中海式ドッキング。ここは田中洋船長のホームポートでもある。18:00民宿“かしまえ”へ。“九十九島シーサイドテラス&スパ花みずき”で温泉に入って夕食もここで済ませる。
 九十九島パールシーマリーナ付近は素晴らしく開けたところで、すべてが整っていて、長期、短期間の係留に便利だ。ここは、上五島や佐世保、大村湾を巡る巡航には最適な基地となることが分かった。
 そして、いちばんバンクーバーに近い景色を持ち、針尾瀬戸の狭い水路を通ると大村湾のなかも楽しめる。総合すると、「コスタルコース」が開催できる候補地になりそうだ。


多島海の絶景の後は佐世保から針尾瀬戸を通って大村湾へ

3日目:4月29日(月)
九十九島内のマリーナ見学→佐世保→針尾瀬戸→旧オランダ村。30マイル


 朝起きてすぐにマリー近辺を散策する。緑に囲まれた一帯は観光地として開発され、一大リゾート地として隆盛を極めている。天気が悪くなりそうなので、早めに宿を出る。小雨が降り出した。
 08:10パールシーマリーナ出港。九十九島のサンライズマリン佐世保と、一番奥まったところにある第一ヨットハーバーを海から訪問。2か所ともいい場所にあって泊地には素晴らしいところだ。佐世保に向かう前に、昨日ムアリングした泊地を再度探索に行く。アンカリングに適した場所がないかと探し回ると、バウアンカーで、スターンを陸地に舫える場所が多くあることが分かった。次に来るときは、ぜひ、オーバーナイトで泊まってみたいところだ。

 佐世保に向けて南下を始めると本降りの雨、針尾瀬戸ではどしゃ降りの雨となりとても寒い。佐世保港には多くの艦船が係留されており「軍港」といった迫力ある風景に驚かされる。佐世保港では桟橋に着けて1時間半の休憩を取り、名物の佐世保バーガーを食べる。
 13:00佐世保港を出港して東風20ノット、どしゃ降りのなかを針尾瀬戸に入り西海橋を通る。視界が悪く、悪天候なのでそのまま旧オランダ村へ。15:40オランダ村の桟橋にドッキング。ここは昔の栄華が垣間見える廃墟である。今宵の宿は、車で約10分のところにある民宿「はしもと」に…


大村湾西側はヨットマン憧れの場所
たくさんの入江と大自然に囲まれた好泊地だ


4日目(最終日):4月30日(火)
旧オランダ村→長崎ハウステンボス→オーシャンゴルフクラブ→長崎空港
→大村公営ハーバー。36マイル


 最終日。雨のなかを08:20に旧オランダ村を出港して長崎ハウステンボスに向かう。
 ちょうど小雨になり、視界も回復してきて風もなかったので、昨日は荒天のなかを走った針尾瀬戸を、もう一度ゆっくりと観光することにしたが、スラックタイムで風がなければ何ともない穏やかな水路である。  自然に満ち溢れた景色を楽しんで、ハウステンボスマリーナに09:50到着。ここは受け入れ態勢が万全でサービスも行き届いている。オーバーナイトで泊まるにはいいところだ。その後、大村湾の西側を南下してオーシャンパレスゴルフクラブに向かう。

 大村湾の西側はフィヨルドのように入江が幾つもありバンクーバーそのものだ。形上湾(かたがみわん)は南北に長く、両側とも360度陸に囲まれた素晴らしい泊地だ。田中洋さんが形上湾の南を案内してくれる。南側泊地には地元のヨットが5艇ほど係留されていて、地元のヨットマンと出逢い、少し話をする。
 そして、13:00にはオーシャンパレスゴルフクラブの桟橋にドッキング。とてつもなく綺麗なグリーンを通って、ゴージャスなゴルフクラブのレストランでランチと洒落こむ。
 2時間ほど、たっぷり時間を掛けてゆっくりとランチを楽しんだ後、長崎空港へ。ここでも視界が悪く、また雨が降り出したようだ。16:45長崎空港ポリス桟橋にドッキングして、芥川、西田、岡田さんの3名はここから陸の人へ。残った、根岸、新田、寺内、田中洋さんは大村公営マリーナへと向かう。

 YBM・ISPA初の試みであった上五島クルージングは素晴らしトレーニングとなり、参加した皆さんは全員満足して帰りました。来年も、ぜひやりたいと思います(終わり)