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2019年07月23日

訃報 オールドソルティー、武村洋一さん逝く

 またひとり、草創期の頃から日本のヨット界を牽引してきたベテランヨットマンが逝った。

 武村洋一さんは、去る7月20日午前7時34分に心不全のために急逝した。享年85歳、近年、病気療養中だったとは云え、まだまだお元気で、“2020東京五輪”開催を楽しみにしていただけに非常に残念で悲しい訃報だった。

 武村さんには昔から可愛がっていただいた。古くは<サンバード>、<都鳥>でシドニー・ホバートに遠征したとき。また、SBスポーツ倶楽部やヨット協会(現JSAF)の事務局長時代に、仕事柄、いろいろと教えられ、ご指導いただいた。
 多くのヨット仲間が信頼するよき先輩だった武村さんは、神奈川県横須賀市に生まれ、子どもの頃から海に親しみ、旧制横須賀中学から早稲田大学高等学院、早稲田大学ヨット部で活躍。卒業後も、黎明期の外洋ヨット界を牽引した。

 武村さんは、その60余年のヨット人生を綴った著書“「古い旅券」~ヨットに親しんで60余年あるオールドソルティの追憶”(弊社刊)のあとがきに、

「海が、漁業、海運、防衛だけの海であったら、あまりにも悲しいではありませんか。
 海は、美しく楽しく、人の心を豊かにする海であって欲しい。
 海は、雄々しく、敢然と立ち向かう心を養う海であって欲しいと
 願わずにはいられません。
 80歳を過ぎて、しきりに、そんなことを思っています…」

と、海を愛する思いを綴っている。

 海を愛し、その飾らない、慈愛に満ちた人柄で、誰からも愛され、慕われた武村洋一さんの人生は、大海原への航海そのものだった。その航海の幕がいま静かに下ろされた。

 武村さん、大変お世話になりました。安らかにお休みください。(本橋一男)

 *なお、個人の遺志により通夜及び告別式は、家族、近親者のみの家族葬にて7月24日に執り行われます。後日、あらためて「お別れ会」が催される予定です。