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2022年06月13日

今年も、盛り上がった手作り感満載の
“横浜ミドルボートゴールデンウィークレガッタ”

 文・松浦孝志(大会事務局)
 写真・野口隆司  10年ほど前から、横浜のレース好きヨットマンが集まって、ときどき“練習会”を行っていました。それが、「どうせマークを打つなら、レース形式でやったらおもしろそうだ」という発想で「横浜ミドルボートミーティング」が始まりました。横浜ヨット協会(YYC)所属艇を中心として、ベイサイドマリーナの所属艇にも声を掛けて年間2~3回のペースで開催してきました。
 コロナ禍が蔓延し、東京オリンピック開催の影響もあって、毎年、シーボニアで行われていた関東ミドルボート選手権が昨年から中止になってしまいました。東京湾からも、毎年、数艇が同レースに参加していましたが、レースが無くなり「ゴールデンウイーク暇だよね。レースしたいよね。」ということで、ゴールデンウイークの2日間で、インショア6レースを行う「横浜ミドルボートGWレガッタ」を2021年から開催することになりました。
 “レースが無ければ自分たちでレースを作ろう!”という趣旨のもとに、運営を横浜ベイサイドヨットクラブ(YBYC)の有志の方々にお願いしたところ快諾を得て、昨年、13艇の参加艇により第1回目のレベルの高いレースが実施されました。
 
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 今年も、GWに開催される関東ミドルボート選手権(関東ミドルボートオーナーズクラブ)の中止が既に決まっていたので、例年、このレガッタに参加していた相模湾、東京湾の艇にも声をかけたところ、相模湾から2艇、浦安から4艇、横浜から9艇の、合計15艇が参集し、第2回“横浜ミドルボートゴールデンウィークレガッタ”が開催されました。
 大会開催にあたっては、横浜ベイサイドマリーナ、YBYCに協力をお願いし、主務官庁へレース実施の許認可を得ました。ご存知のように、横浜水域は本船航路、本船停泊地もあり、レース許認可には大変な手間がかかるのですが、YBYCメンバーのおかげで無事許可が下りました。
 レースを盛り上げるため、ヨット仲間の野口さんにレース風景の撮影を願いし、また、大会運営のためにホームページを作成。公示、帆走指示書を作成し、参加申込書を受け取り、参加費のチェック等の事務処理を無事にこなし、大会当日を迎えました。

 大会初日の5月3日、8kt前後の北東の軽風のなか、予定通り、第1レースのスタートが切られましたが、各艇、久しぶりのレースでもあったためかゼネリコとなってしまいました。
 その後、風は東に振れながらも安定してきて、無事に、予定した3レースを実施することが出来ました。結果は、この水域の、独特な風の振れや潮の流れに翻弄されながらも、弱い風を上手くつかんだ艇が上位につけました。微風を得意とする浦安の<ツルギ>(Farr30)、老練なクルーワークで勝利を目指す葉山の<ラハイナ>(Y33s)、そして、地元横浜の<ウララ>(YOK31)が上位を形成し優勝を狙います。  大会2日目は、初日と打って変わって風は南南西の16kt前後、順風下で第4レースがスタートしました。初日不調だった<フォンテーヌゼロ>(J111)が抜群の艇速でトップ、2番手は<きんぎょ>(Y33s)が手堅くまとめフィニッシュ。続く第5レースは、強風を得意とする<ウララ>がトップフィニッシュしました。その後、風も20ktほどになり、トラブル艇も多く見受けられました。私の乗る<ウララ>もスピントラブルで第6レースはスタートすることが出来ませんでした。
 第6レースは、20ktほどの南西風下で<きんぎょ>(Y33s)がトップフィニッシュ。2番手にシーボニアの古豪<シャークX」(VITTE31)が入りました。
 これで2日間に予定していた6レースすべてが成立しました。6レース成立の場合は1レースが捨てレースとなり、5レースの結果で総合成績を出しますが、かろうじて<ウララ>が4-3-4-3-1で優勝することが出来ました。1点差の2位は3-6-2-4-1で<きんぎょ>、3位は1-1-2-7-9で<ツルギ>でした。レース終了後、YYCでささやかな表彰式を行い、上位艇には横浜ミドルボートGWレガッタの刻印の入ったワインが送られました。
 
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 結果は、レース好きの艇が集まり、ボランティアの助けを借りて、手作り感満載のレースでした。何だか、ヨットレース本来の楽しみ方が出来たような気がします。参加艇の皆さんも存分に楽しんでいただけたようです。
 大会開催にあたり、ご協力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
 来年はもっと参加艇を増やして、充実したハイレベルの大会を実施したいと思っています。