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新着情報

2026年02月16日

寄港地での体験価値に重点を置いたモデルケース
「瀬戸内海アートクルーズ…実証航海」

 “日本の海を楽しもう…”をコンセプトに、全国各地の港や周辺情報の調査・発信する日本海洋研究所が、新しい事業モデルとして「瀬戸内海のアートクルーズ…実証航海」という新しい試みを企画・実施して、注目を集めている。
 日本海洋研究所は、沖縄宜野湾マリーナをはじめ、福岡市ヨットハーバー、四国の新居浜マリー、ナ、静岡県伊東市のサンライズマリーナ、富山の新湊マリーナ、北海道の小樽港マリーナを拠点に、独自のクルージングネットワークを構築し、港湾調査や、ヨットやボートで全国各地の港を巡るための情報を発信してきた。
 その日本海洋研究所が取り組んだ新しい試みとは…以下に、「瀬戸内海アートクルーズ…実証航海」の概要をご紹介しよう。
 
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 【地域連携型セイリング、観光の実証】…日本海洋研究所
 「瀬戸内海アートクルーズ…実証航海」の目的は、ただの観光ではなく、「港の将来性…」を探りながら、事業モデルとしての可能性を検討する目的で実施しました。実施期間は2025年11月、目的地は瀬戸内海の粟島(あわしま)です。
 香川県三豊市の荘内半島沖に浮かぶ粟島は、3つの島が砂州でつながったスクリューのような形が特徴の、人口150人の島です。
 かつては、日本初の海員養成学校があった島で(現在は廃校)、いまは瀬戸内国際芸術祭の舞台や、幻想的な海ほたる、ノスタルジックな風景が楽しめる島として知られています。
 
波穏やかな粟島の港…停泊中の実証艇は研究所所有の<トランサイド6>
 そこで、今回の「実証航海」の目的は、具体的に、以下の3テーマに絞って実施しました。
① 単なる航海ではなく、「寄港地での体験価値」に重点を置いたモデルケースとして実施
② アートや温泉、地元の食文化といった地域資源を生かした寄港地での過ごし方を設計。
  “寄って・遊んで・交流してもらう”ことを大切にしたクルーズ構成
③ 今後、自治体や観光協会と連携し、港の観光振興にもつながるモデルに発展させていく

 今回の、粟島への航海は、粟島の港情報収集が第一の目的ではありますが、粟島の瀬戸内国際芸術祭の舞台としての存在意義を認知、知らしめるための「フネで訪れる人(海洋研究所)」と「その島に暮らす人(粟島島民)」が、緩やかに交流する仕掛けとして、島のアートを楽しむことにありました。
 今後は、自治体や観光協会と連携し、港町の観光復興にもつながるモデルとして発展させていく構想の第一歩として、「瀬戸内海アートクルーズ…実証航海」は無事終了しました。
 
粟島芸術家村には様々なアート作品が展示されて、、
 【テーマ別クルーズのパッケージ化】
 日本海洋研究所が、今後、取り組むテーマ別クルーズのパッケージ化とは、「アート」、「グルメ」、「クラフト」など、寄港地のテーマ性を活かした複数日程の体験型クルーズの展開です。
 “ただフネに乗る”のではなく、フネと港を行き来しながら過ごす、贅沢かつ文化的な時間の提案が目指す方向です。地元自治体、観光協会、旅行会社との連携も視野に実施した、今回の「瀬戸内アートクルーズ…実証航海」はその試験的な取り組みでもありました。
 
 【今後の活動方針について】
 日本海洋研究所本来の活動方針は、全国の港を対象に泊地調査を順次行い、セイリングを楽しむヨットマンをサポートし、港および周辺情報をデータベース化して供給することにあります。
 今回のような実証航海の体験を通じて、利用者の視点から必要なサービスを洗い出す取り組みも実施して、どうすれば、安全で快適に、しかも気軽にセイリングを楽しめるかを追求していきます。
 「日本の海を楽しもう」を合言葉に、全国の海、港を巡り、人と出逢い、文化に触れ、味に感動しながら得られる体験の、一つひとつをヨットを愛する人たちと、そして、これからヨットを始める人たちと共有していき、ヨット界全体を盛り上げていくことが目的です。(撮影・文/日本海洋研究所)
 
 〇全国の港情報など、お気軽にお問い合わせください。