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<Claris Forte>巡航日記2015 今年も“素敵な出会い、新しい発見の旅”が始まった

写真・文 中野誠・美千穂

■今回巡行した島と港(地名をクリックして地図データをご参照ください)
宇和島足摺岬土佐佐賀室津港室戸港奈半利港三木浦

第十回 「伊予灘ものがたり」に乗って宇和島入り

5月4日

 GW前半戦の始まり。土曜日早朝に夜行バスにて松山入り。松山からは以前から乗ってみたかったJR四国の『伊予灘ものがたり』に乗り宇和島入りした。
今年の宇和島パールレースは第20回記念大会で前夜祭にも参加。前夜祭会場には顔見知りの仲間でいっぱい、昨年同様非常に楽しい前夜祭だった。
  日曜日の「宇和島パールレース」本番は追っ手のスタート。勢いよく飛び出してトップグループに。ところが、今年は風が振れ回ったり無風になったりと気紛れな状況。誰もが一度は優勝やファーストフィニッシュのチャンスがあるような気紛れなレース展開のなかで、最終マークの手前でトップに躍りでて、そのままトップフィニッシュ。久しぶりに、“勝利の女神”が微笑んでくれた!
 修正トップは、倉敷から宇和島まで自ら回航して参加した、84歳のオーナーの乗る<Sunshine>という艇。クルーにキングセールの庄崎さんと娘さんが乗り、昨年に引き続き2連勝。庄崎さんは宇和島パールレースの優勝請負人です!
 レース後は表彰式兼パーティーで、いつものように山積みの賞品と食事…あっという間に愉しい時間が過ぎていった。

 5月5日。今日は早朝6時に出港する。ヨット乗りはみんな朝が早い。とくに、遠方からの参加艇が多いためか、6時にはすでに半数以上の艇がいなくなっている。我が<Claris forte>はというと、高知から来た<パル>のあとにつづいて迷路のようなコースを辿りながら足摺岬方面に向かう。この日は土佐清水に入港する予定だったが、船足が順調だったので足摺岬をかわして土佐佐賀港まで足を伸ばし、辛うじて、真っ暗になる前に無事に入港した。

宇和島パールレースで、スタート後上手く飛び出したが、レースはこの後二転三転…最後の最後でトップフィニッシュさせてもらった

JR四国の「伊予灘ものがたり」は、松山から八幡浜までの区間を走る観光列車。普段は走らない海岸沿いの路線を使って、食事をしながらゆっくりと走り風光明媚な景観を堪能させてくれる。途中、景色が素敵な駅では乗客が外に出て記念撮影も出来る。奥様はひとりで車内を独占しご満悦の様子

宇和島~足摺岬の区間は風光明媚だが、島の迷路を走るので気が抜けない。写真奥は細木水道(桁下16.5m)

ここは船越水道(桁下19.5m)。どちらも幅は1~2艇身程度だ

島の迷路を抜けると、太平洋側の切り立った岸壁が現れる


5月7日
世間ではもうGWが終わっているのだが、我が艇はGW継続中!

 さて、5月5日の日暮れに土佐佐賀に入港した後は、船で食事を済ませ即就寝。土佐佐賀は、北からアプローチすると狭い航路を通っての入港となるが、敷設された航路ブイの通り入港すれば問題ない。入港後は北側の新港(?)に。係留スペースは結構あった。この港は、夜入港して翌早朝に出港したので、街の状況は不明。
 6時過ぎに奈半利に向けて出港したが波が悪く、出港後暫くして奥様は早くもダウン。
 潮は黒潮の反流で、1~2ノットの逆潮がつづく。予定より2時間ほど遅れて、16時頃奈半利港に到着すると、高知ヨットクラブの坂本さんが訪ねてきてお風呂を教えてくれた。ヨット乗りはどこでも親切です。そして、この港は駅やスーパーも近くお風呂も徒歩圏内、とても便利な港だ。
 翌朝、家内は仕事のため奈半利から一旦帰宅。ここから暫くは一人旅となる。皆が仕事に戻るなか、もう少しひとりでGWを愉しむことに…

 今日は室戸岬をまわってすぐのところ、甲浦の竹ヶ島までの航程なので、ゆっくりと出発する。
ところが、前日からパッドの“Plan2nav”が調子悪く、動かない。甲浦には“Plan2nav”と船のGPSを使って入港しようと思っていたのでちょっと不安だ。時間もあったので室津港から室戸港を下見しながら“Plan2nav”の復旧を試みるが治らない。やはり、この状況下で、暗礁の多い甲浦入港は危険と判断し別の港を探したが、四国沿いに安心して入れる港となるとだいぶ北上して日和佐までとなる。そうなると、日暮れまでの時間も厳しいし距離もだいぶ遠まわりになる。そこで、この際、翌日に入港を予定していた紀伊半島の周参見まで行くか、ということにした。
 周参見まで普通に走ると夜中に着いてしまうので、風はなかったが、セーリングで時間調整、約2ノットで走る。しかし、これでも黒潮に押されて対地スピードは約4ノット。ちょうど、夜明け頃に到着の予定だった。ところが、フェースブックで地元のひとが“週末は吹くよ”と予想している。天気予報ではそうでもないのだが、万一、荒れたら家内が嫌がるだろうと思い、つぎの寄港地を今度の旅の目的地、五か所湾により近い串本か勝浦に変更する。
 機帆走でスピードアップを図るものの、夜中の1時頃になってまったくスピードが出なくなった。藻がプロペラに絡まったようだ。潜ろうかどうしようか迷ったが、結局、潜ることにして素っ裸でダイビング。藻を取り除き調子よく走りだしたと思ったら4時頃またスピードが落ちで再度ダイビング、明け方にようやく串本沖に到着した。
 藻が絡まったためでもないが、長旅で<Claris forte>の調子がイマイチあがらない。そこで、週末に五ヶ所湾で整備することを決めた。そのため、入港予定をもうひとつ先に伸ばして、尾鷲の手前にある三木浦まで足を伸ばすことにした。
 入港前にご飯を炊き始め、何か“おかず”が欲しいなと思っていたら、ちょうどひとり分程度の鰹をゲット。こいつを調理しながら13時頃に三木浦に無事入港した。さっそく、獲れたての鰹を食べてから就眠したが、入港後のビールと鰹、野沢菜茶漬けは最高に旨かった。

●メモ
土佐佐賀漁港泊地情報
・係留場所:
・係留料: 無料
・給油給水:
・食糧:
・風呂:

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。

室津港。水路を遡るように奥へ奥へと続いている。けっこう趣のある港で僕好みの港。奥に泊められそうな場所もずいぶんあった

●メモ
室津港泊地情報
・係留場所:
・係留料: 無料
・給油給水:
・食糧:
・風呂:

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。

室戸港。漁船は入ってすぐ右奥に。左側にも係留場所は結構あった。室戸港と室津港は目と鼻の先、入港するなら室津港のほうが雰囲気はいい。漁師さんはどちらも親切そうな感じだった

●メモ
室戸港泊地情報
・係留場所:
・係留料: 無料
・給油給水:
・食糧:
・風呂:

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。

三木浦は鴬の鳴き声が鳴き止まない長閑な港だった。入港前の紀伊半島の景色も最高。四国の宇和島~足摺岬といい、この三木浦周辺の景色といい、ヨットで回っていると普通では見られない景色を堪能出来る。

●メモ
三木浦港泊地情報
・係留場所: 三木浦に入って一番奥の左右の桟橋。村に近いのは左側。
でも静かなのは右側の桟橋。
・係留料: 無料
・給油給水:
・食糧:
・風呂:

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。