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<Claris Forte>巡航日記 素敵な出会い、新しい発見の旅

写真・文 中野誠・美千穂

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■今回巡行した島と港(地名をクリックして地図データをご参照ください)
フィッシャリーナ室津上関海峡温泉・鳩子の湯角島尾山港長門黄波戸港

第四回 瀬戸内海から日本海へ

 7月13日。今週末もいろいろありました。金曜日に仕事が終わってから広島の観音マリーナへ直行。台風対策に縛っていたロープを解いて船中泊し、翌土曜日の早朝6時に出港。
 お昼過ぎ、上関に到着し「おふくろ」で昼食。そのとなりの「鳩子の湯」で入浴して、再び出港。
 天気もよく、セールの空干しも出来て、美味しいお昼と眺めのよいお風呂に入り、野島に到着。
 翌朝4時半に起きると、外は土砂降りで周りに落雷がいっぱい。関門海峡を抜けるには遅くとも6時には出港しないといけないのだ。天気予報や潮のチェックをしながら天候の回復を待っていると、6時ちょうどに雷が止んだので、即、雨のなかを出港。
 野島を離れた途端、雨も小雨になりなんとか転流時には関門海峡に到着。なんとかなったと思って走っていくと、途中からどんどん逆潮が強くなってきて3ノット以上に。
 ちょうど、前線通過後の横風を受けて2時間かかってなんとか関門海峡を通過した。そのときの電光計器盤の表示はなんと逆潮7ノット。ちなみに、うちの船は最高で6ノットなのに…
 その後は、良風にも恵まれ、無事、予定通り16時には“室津フィッシャリーナ”に入港した。
 さっそく、後片付けをして、バス停に向かうと本数の少ないバスがすぐに来て乗車。その後も待ち時間なく順調に列車を乗り継いで無事に帰宅しました。


上関の鳩子の湯

(7月13日)

 浴槽から目の前を通過する貨物船を間近に見ることができます。
 そのとなりの薄いブルーの建物が食事をした「おふくろ」で美味しかったです。ちなみに、ここは月曜日と第3日曜日が休日。営業時間は11:00~14:00、17:00~21:00です。建物の後ろに見えるクレーンの右に<フォルテ>が停泊しています。階段つきの防波堤ですが、防波堤の壁に穴がいっぱいあるので着ける場所にコツが必要かも。
 正確には、ここは室津港。対岸が上関港。“室津”という地名は、あちこちに同様の名前があって少々ややこしい感じです。

●メモ
室津港泊地情報
・係留場所・係留料・給油給水・食糧・風呂・洗濯:漁港なので係留料無料。港の中の定期船の桟橋に係留している写真を見たことがあるので、桟橋のどちらかは係留可能かも知れません

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。


日曜日は、待ちに待った長門レース

(7月21日)

 金曜日に仕事が終わって、いつものように出発。最終列車で室津フィッシャリーナ近くの黒井村駅に着くはずが、新幹線の遅れで下関まで。でも、JRの責任ということで、下関から列車代行タクシーに乗せていただき、室津フィッシャリーナに無事到着。
 翌朝は恒例の船底磨きをして出港。角島の奥山港に入り、“活けイカとウニ飯”を堪能する。これぞクルージングの醍醐味、そして、ここの海は本当に綺麗だった。
 その後、通れる場所が本当に狭い角島に渡る橋をくぐって長門に向かう。
 長門では、まず黄波戸港に入りお風呂に行く予定が、目指すお風呂が潰れていて、残っているお風呂は丘の上で、歩いて行こうとしたら家内に激しく拒否され、断念。その後、湊漁港に船を移して長門仙崎花火大会を楽しみ就寝。
 翌日、日曜日は待ちに待った日本海でのレース、長門レースです。綺麗な青海島を一周するレースで、内海をスタートし、日本海の外海を走り、島の反対側の内海でフィニッシュする風光明媚なコースで、スタート後、大型艇について行って好位置をキープ、後半に同型艇の<大海言>に抜かれ。優勝はその<大海言>で、修正でも大型艇に抜かれ残念ながら表彰圏外の4位に終わりました。でも、1時間程のレースかと思っていたら、なんと3時間も経っていて、綺麗な風景を見ながらのレースは時間が経つのも早いです。
 終了後、<悟空>のメンバーの車に乗せていただき、近くの湯免温泉へ。そして、表彰パーティーは港の漁協で開催。“活けイカ”をその場でさばいての刺身や、サザエの壷焼き、バーベキューはこのレースならではのもの。とても美味しかったです。そして、また、海の仲間と大勢知り合いになりました。翌朝、目覚めると他のヨットはほとんど出港していた。われわれも、のんびりと後を追って、綺麗な景色を見ながら2時間ほどで萩マリーナへ移動。しっかりと舫いを取って、来週、前夜祭の行われる“たなかホテル”で温泉に浸かり、帰途に就きました。


角島の尾山港

 目の前の漁協で活けイカが売られています。そのそばに漁協のお母さん方の経営する食堂あり。少し歩けば道の駅や綺麗な海水浴場もあります。

●メモ
尾山港泊地情報
・係留場所・係留料・給油給水・食糧・風呂・洗濯:漁港なので係留料は無料。観光地なので食事場所は徒歩圏内に多数あり

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。

本州と角島を結ぶ橋。広いようですが凄く浅く、ヨットが通れるのは幅10数mくらいとのこと。そこを示すブイの横をヒヤヒヤしながら無事通過。橋の高さは18m。


長門の黄波戸港

 山の上にある温泉には1時間に一本程度のバスを利用。次回はもっと時間に余裕を持って訪ねたい。風呂から眺める景色は最高だそうです。

●メモ
黄波戸港泊地情報
・係留場所・係留料・給油給水・食糧・風呂・洗濯:漁港なので係留料は無料。駅まで徒歩圏内のようなので駅まで歩けば何かあるかも…

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。

漁港で行われた長門レースの表彰パーティー風景